ペルセポリス

国は違えど・・・

1960年代、イランで生まれた女の子マルジャンは何不自由なく家族の愛を受けて成長していった。
しかし革命がおき、社会情勢はめまぐるしく変化、両親はマルジ(マルジャンの愛称)をヨーロッパへ留学させる・・・・

ほぼ全編白黒のアニメーション(大変な時間がかかっているのを感じます、原作はです)で表現することによって、監督も語っているように、それがどこかの遠い国で起こっている革命下の悲しい物語としてではなく、少女の心の移り変わりや家族への(家族からの)愛を語る作品として成り立っている。

イランの歴史を深く知らない私もすぐに主人公マルジに感情移入し、時にはマルジと一緒に少女の気持ちを楽しみ、時には日本での戦争を思い出し心を痛め、また大切な人のことを思う。
そして、私もすべきことをしなくっちゃ、と思う。
シリアスに思えますが、笑うところは本当にいっぱいですよ!
映画の舞台は1960年代から現在で、マルジのアイドルだってブルース・リーとアイアン・メイデンですからね。

そして、長いこと会っていないがアメリカにイラン人の友達がいて、
かつて彼が国への思いを強く語っていたことを思い出し、その時の気持ちを少し理解できたような気がする。

その他、声の出演には
カトリーヌ・ドヌーブ、キアラ・マストロヤンニという
実生活でも親子の2人がマルジの母とマルジを担当するという豪華キャスト。
また、最近話題になっているアカデミー賞。
この作品も「アカデミー賞長編アニメーション映画賞」と「アカデミー賞長外国語映画賞 フランス代表」にノミネートされている。
京都シネマでの上映は終了したが、カンヌ映画祭でも審査員賞に選ばれているこの作品、まだまだ観るチャンスがあるはず。

監督:マルジャン・サトラピ
出演(声):キアラ・マストロヤンニ、カトリーヌ・ドヌーヴ、ダニエル・ダリュー

アカデミー賞でもうひとつ気になっているのが、短編アニメーション賞にノミネートされている 『I Met the Walrus』という作品。
40年前に14歳の少年がジョン・レノンに突撃インタビューした内容を映像化したものですって。

(text:YN)


    fromKYOTO

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