NHK教育TV知るを楽しむ「チェ・ゲバラ 革命への旅」
ジョン・レノンが「世界一カッコいい男」と言い、サルトルが「20世紀でもっとも完璧な人間」と評した男。
遅きに失した感もありますが、NHK教育テレビ「知るを楽しむ」シリーズの「わたしのこだわり人物伝」12月放映分でゲバラが取り上げられています(まだ一部の回は間に合いますのでお見逃しなく)。
男が惚れる男(ジャンプ風には「侠」)、ゲバラ。 気高い思想、強固な信念、向こう見ずな熱情、厳格な自律性、高潔な言動・・・。実はかつてセイカにも風貌こそ違えど、ゲバラのごとく多くの人々を魅了してやまなかったカッコイイ人物がいました。それが初代学長の岡本清一先生です。
理想に燃えた二人がともに現実との狭間で歯がゆい思いをしたことは想像に難くありません。ゲバラは、キューバ革命の成功以降、コンゴ、ボリビアを「第二のベトナム」化することは叶いませんでした。他方、岡本先生は、1966年の京都市長選に落選され、1971年には教職員組合による退陣署名運動に起因して学長の職位を辞されました。しかしながら、その生き様や精神性はいまなお後進に影響を与えつづけています。
2006年4月に同志社大学寒梅館でおこなわれた岡本先生の生誕100周年記念講演会で鶴見俊輔氏は、岡本先生について情愛を込めてドン・キホーテと称されました。かくも敬愛すべき人物をその創立時において冠に抱いた学園に所属しているという誇りを、在学生・卒業生・教職員はすべからく持つべきでしょう。そして初代学長のスピリットは全構成員によって継承されなければなりません。岡本先生について興味をもたれた方は、情報館にも著作や発言集、当時の大学事情を窺い知ることのできる資料が所蔵されていますので参考にしてください。ベテラン教職員をつかまえて岡本先生のことを訊いてみるのも一手です。
また辛気臭く話が脱線してしまいました。しかもゲバラも岡本先生も初耳の読者の方にとっては不親切な記事ですみませんでした。とにかくゲバラというイカした男についていささかの知見もない方はぜひテレビを観てください(作家の戸井十月さんがナビゲーター)。
さらに余談を続けます。先日開催された太田昌国さんの講演会が予想以上の嬉しい盛況で、予め印刷していたレジュメが50部では足らず、慌てて増刷していたときのこと。作業を手伝ってくれていたメディアセンターのYくんが「むかしゲバラのファミコンソフトがありましたよね」と冗談のような話を切り出しました。しかも「ゲバラとカストロが出てくるアクションゲームなんですよ」というではありませんか。ホンマかいなと思ってネット検索してみると確かに存在しました(はてなダイアリー参照)。あと「ゲバラ焼肉のたれ」なんていう写真合成したギャグ画像も検索のついでに見つけました(ベタな笑いながら後を引きますね)。日本人の発想ってある意味スゴイなと変なところで感心してしまいます。