『横山華山 KAZAN – A Superb Imagination at Work』

現在、京都文化博物館にて
《横山華山 KAZAN – A Superb Imagination at Work》が開催されています。



横山華山は江戸時代後期の京都で活躍した、自由で多彩な作風の日本画家です。


横山華山《祇園祭礼図巻》(部分)天保6-8(1835-37)年

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会場:京都文化博物館

会期:2019年7月2日(火)〜8月17日(土)
  ● 前期 7月2日(火)〜7月21日(日)
  ● 後期 7月23日(火)〜8月17日(土)*展示替えあり

休館日:7月8日(月)、7月22日(月)、7月29日(月)

時間:10:00〜18:00 / 金曜日は19:30まで

料金: 大人:1,400円  大高生:1,100円

HP:http://kazan.exhn.jp/日経文化事業部様)

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横山華山《祇園祭礼図巻》(部分)天保6-8(1835-37)年

目玉展示は《祇園祭礼図巻》。江戸時代後期の祇園祭の全貌を、上下巻約30メートルに渡って克明に描いた華山の集大成ともいえる壮大な絵巻です。

どうやって展示されているのかが気になる長さですね!


他の祇園祭を描いた絵巻とは一線を画した緻密な風俗描写も必見です。
近年、祇園祭の『後祭』復興が話題になりましたが、それ以外にも今は失われたまつり行事や山鉾の描写があり、なかでも芸妓さんが衣装を身に纏って練り歩く、『祇園ねりもの』はこの絵巻でしか見ることができません。
『御神体』や山鉾を動かす『曳き手』が描かれていることも珍しく、飾りものの『懸装品』は、現在復元の際に参考にもされるほどなんですよ。

横山華山《祇園祭礼図巻》(部分)天保6-8(1835-37)年

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少しお話が変わるようですが
美術館の役割の一部として、芸術の『伝播』や『再興』があります。
この企画展にはその要素が強く表れています。

今回、華山は「忘れ去られてしまった画家」として取り上げられています。
彼は海外では早くから評価されており、日本でも明治時代まではあの夏目漱石の『坊ちゃん』や『永日小品』にも名前が登場するほど名の知れ渡った画家でした。
ただ、多彩な作風であることが美術史において分類しづらいことから、現代の私たちにとってはあまり目にすることのできない画家になってしまったのです。

この展示は祇園祭の時期に、現代においてはあまりフォーカスのあたらなかった画家をメイン作品と絡めて紹介する、極めて意味のある催しです。

祇園祭に向かわれる方、日本画に興味がある方、京都が好きな方、また展示の企画に興味がある方なんかにもオススメですので、ぜひ足を運んでみてください。

(Text:Mo)

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