宮館長おすすめコーナー:柳宗悦と民藝
「民藝」ってなに?
現在、情報館階段踊り場の宮館長おすすめコーナーでは、
柳宗悦の著作、および民藝運動に関連する資料を特集しています。
「民藝」とは思想家・宗教哲学者である柳宗悦がおこした芸術運動です。
柳宗悦、と聞くと学生のみなさんは、インダストリアルデザイナーの
柳宗理のお父さん、というとピンとくる方も多いのかもしれませんね。
宗悦は日本各地の無名の工人らの手による染色、陶芸などの日用品や、
李朝時代の朝鮮美術、また、江戸時代の木喰の仏像のように、
かつては美術史的に正当な評価をうけなかったものたちに、
素朴な美を見出し、「民藝」と名付け、収集をおこないました。
これらのコレクションを広く展示・公開するために
柳は1936年、東京・駒場に日本民芸館を設立しています。
(現在の館長は深澤直人です。)
宗悦が評価し、紹介したこれらの工芸品や美術は現在のわれわれが
見ても、素朴で可愛くすら感じられます。
今回の特集では、柳の著作をはじめ、上記の民芸品が掲載されている資料、
柳の思想に賛同した同時代の芸術家、河井寛次郎(1890-1966)、
濱田庄司(1894-1978)、芹沢銈介(1895-1984)らの作品集も展示しています。
ちなみに、私たちが普通に使っている「民芸品」、や「民芸調」という言葉は、
柳宗悦らが使い始めた造語だったのです。意外と新しい言葉なんですね。
(text: し)