この素晴らしき世界:アジアの現代美術から見る世界の今
「この素晴らしき世界:アジアの現代美術から見る世界の今」展
広島市現代美術館、2012年3月24日(土)―5月13日(日)
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シルパ・グプタ、郭奕臣(グォ・イツェン)、マイケル・リー、下道基行、ティンティン・ウリア、ジュン・ヤン、储云(ツゥ・イュン)といった7名のアジア出身の作家が出品していました。
ここ数年アジアの現代美術をテーマにした展覧会は多数開催されていますが、こちらはとりわけ見た目の騒々しさやインパクトに依拠しない、淡々としながらも色々考えさせられる展覧会でした。
中でも気になったのはシルバ・グプタというインド出身の女性作家です。
「横浜トリエンナーレ2008」や森美術館の「チャロー!インディア」展で彼女の作品を見たことがある方もいるかもしれません。
私が好きなのは『100 Hand-Drawn Maps of India』という作品です。
作家の知人100人にインドの地図を記憶を頼りに手書きで描いてもらい、連続で投影した作品です。
みんなの記憶のあやふやさにくすっとさせられる一方、深刻なインドの領土問題について考えさせられる興味深い作品でした。
同時開催のコレクション展で、建築/構築的な要素を持った作品を特集した「ビルヂング 美術という建築」も面白かったです。
金氏徹平の映像作品《Tower (Movie)》はずっと見ていられそうなわくわくする作品でした。
こちらは6月24日(日)までの開催です。
【情報館にある関連資料】
『Shilpa Gupta ; Blindstars starsblind 』Kehrer, c2008
3F図録、702||G94
南條史生『疾走するアジア』美術年鑑社、2010.3
3F閲覧室、702.2||N48
『金氏徹平 溶け出す都市、空白の森』赤々舎、2009
3F図録、702||Ka54
(text: し)