中平卓馬『キリカエ』
中平卓馬『キリカエ』
会期:2011年3月19日(土)~5月29日(日)
会場:コム デ ギャルソンSix (大阪)
時間:12:00~19:00/定休日:月曜日
現代において最も純粋な写真を撮る人、中平卓馬。
強烈な当事者意識を持ったアーティスト、古橋悌二。
古橋悌二の新しい人生 ―LIFE WITH VIRUS―
より
~中略~
私は常に当事者でありたかった。情報で知り、解析によってその事象を仮体験す
るのではなく常にその場にいて、実体験すること。自分を好奇心の向こう側にむ
りやり越えさせる唯一の手段。そこで勝ち得た情報だけが、私の細胞内に永遠に
留まることが出来るのだ。アーティストは当事者たりえるであろうか。世界に対
する単なるコメンテーターに過ぎないのではなかろうか。アーティストとは安全
圏にのみ居住する気難しい皮肉屋のおじさん、或いは職人さんといったイメージ
のそれ以上にもそれ以下にもなれないでいる不幸な人種なのかもしれないと思う。
TVから流れるニュースや人から聞く噂話は単に我々を撹乱させる。
そう、私はすべての戦場にいてそこに飛び交うすべての弾にあたりたかったのだ。
それ以外に自分の存在を確認する方法があるだろうか。何もしないなら、何も出
来ないのなら、存在していても仕方ないのだ。個人的なもの、例えば恋愛や人間
関係の当事者でありつづけることは人間として当然のことだ。ただ、私はアーテ
ィストとしては、それ以上のものの当事者である必要性があるのではないかと感
じていただけだ。
~中略~
追記:数多くの“震災のイメージ”のうちの水木しげるが描いた絵
http://presspopinc.blogspot.com/2011/03/new-york-times-op-ed-page-this-sunday.html
(text:sauvage-os)