第3回情報館リーディングラボ開催しました
情報館リーディングラボ、
第3回目は洋画の柏原えつとむ先生をお迎えしました。
理解しようとか意味をとろうと思わず、
まず本を手にとって出会ってほしい。
1冊の中で1行で2行でも自分に響くものがあれば
憶えて自分の中においてほしい。
本に限らず、絵でも文章でも詩でも音楽でも、
まずふれてほしい。ふれて近づいてほしい。
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そんなお話をされた柏原先生は、合間に「20代までにたくさん憶えた」
という詩や小説の一節を次々暗誦。すごい。
一気にその世界にひきこまれ、情景が浮かぶようでした。
「憶えてしまうと、言葉と人間の感性と精神の関係が自分なりにしっかりしてくる。」
と話される先生のことばの美しさを感じます。
最後には先生のお名前の由来も飛び出し、あっという間の90分でした。
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柏原先生曰く。「だまされたと思って ひとつの詩でもふたつの詩でも憶えてごらん。
それがどれだけ楽しい人生となるか・・・」
では。柏原先生が暗誦してくださった朔太郎の詩をふたつ。
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蛙が殺された、
子供がまるくなつて手をあげた、
みんないつしよに、
かわゆらしい、
血だらけの手をあげた、
月が出た、
丘の上に人が立つてゐる。
帽子の下に顔がある。 [蛙の死]
ぬすつと犬めが、
くさつた波止場の月に吠えてゐる。
たましひが耳をすますと、
陰気くさい声をして、
黄いろい娘たちが合唱してゐる、
合唱してゐる。
波止場のくらい石垣で。
いつも、
なぜおれはこれなんだ、
犬よ、
青白いふしあはせの犬よ。 [悲しい月夜]
柏原先生、島本先生ありがとうございました。
今回登場した本のうち、所蔵資料については情報館2-3F階段踊り場にて紹介しています。
まずは本にふれ、本に近づいてみてください。(貸出可です)
情報館リーディングラボ、次回は7月下旬予定です。
気軽に覗きにきてくださいね。詳細は後日HPにて。
(text:図書:1000)