漫画で食べていく

先日、しりあがり寿さんのマンガ入門を読みました。

恥ずかしながら、私はしりあがりさんの漫画をちゃんと読んだことはありません。記憶に残っているのは中学生のころやっていた「進研ゼミ」で、なぜか氏の漫画が連載されていたことです。

どちらかというとアングラ系の印象があったので、そんな漫画家が書くマンガ入門とは、どんなものなのだろうと興味が湧き、ぱらぱらめくってみると、意外にも、漫画家として食っていくための超現実的な文章が並んでいたのです。

それもそのはず、しりあがりさんは13年間のサラリーマン経験があり、広告宣伝やパッケージデザインのお仕事をされていたとのこと。
漫画を商品として考えた時に、どういうコンセプトで、どのような市場に売り込んでいけば採算が合うかという視点は、漫画家を目指す人だけでなく、広告やデザイン業界への就職を目指す人にも役に立つのではないでしょうか。

大学も3年目、4年目になってくると、将来に対する漠然とした不安、大人になることへの不安で一杯になり、「仕事って何?私のしたいことって何?」と、鬱になりかねない人が少なくはないはず。

特に、漫画や芸術や音楽等、「お金」や「仕事」と直接結びつきにくい、それで食っていくことなど『夢』だと言われてしまうようなことに学生生活を費やしていて、これから先も続けていきたいと思ってる人は、それを捨てなければ前に進めないような気持ちになって絶望したりする。まあ、私がそうだったわけですが。

でもね、結論から言うと、捨てなくていいと思う。捨てないためにどうしていくかを考えた方がいいし、本気になればそれはできる。ただもう恐くなってしまって、中途半端に捨ててしまうと、結局引きずられてつらい思いをすることになるんじゃないかなあ。

大学を卒業したら社会という巨大な壁が立ちはだかっているようで、無駄にビビってしまうけど、実は想像してるほど大したことでもない。人に迷惑かからない程度に稼いで、税金おさめてりゃ誰も文句言わないよ。たぶん。ただ、ずるずるだらだらは何の結果も生まないので、計画性は必要だと思います。

仕事をすること、自分の創作を続けていくことをポジティブに考えて、頭に明るい未来を思い描いてください。そして、したたかにやってのけてください。しりあがりさんのこの本はあなたの勇気になるはずです。

『表現したい人のためのマンガ入門』
しりあがり寿著
3F文庫新書コーナー 一般図書 726.1||Sh 88||講/新

(text:meganet)

    fromKYOTO

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