小泉先生が教えてくれたこと

「いろんな人がいるんだなあ」ってのはおもしろい。

自分とは違うなあって、ただ思うだけだったらそれはなんの意味もないけど、自分とは違うんだなあ!って感嘆できたら、その出会いは自分のものになって、「いろんな人がいる」ってことが本当の意味で理解できる。ということを小泉文夫先生に教えてもらった。

『小泉文夫の民族音楽』シリーズは、世界各国の民族音楽を流しながら、小泉先生自身がそれを解説するという録音資料です。

これがまた、おもしろいんですよねー。例えば、平均率(いわゆる、ドレミファソラシドのこと)が当たり前だなんて、改めて考えたりしないほどに、平均率は浸透し、私たちは平均率の中でしか音楽を考えられないわけだけど、そうではないところの音楽を聴いて感動できる。わくわくして、心が躍るような感覚がある。

そこで初めて、平均率、つまり、私の世界での正解ではないものがあるんだってことや、それでも素晴らしいじゃないかってことや、自分が一つのルールの中にいたことに気づかされて、世界がぶわーーっと広がるわけです。なんと素晴らしい体験でしょうか。

ということで、はまってしまいましたね。民族音楽っていうと、なんか敷居が高くて、自分からなかなか聞こうとも思わない人がほとんどだと思うのですが、『小泉文夫の民族音楽』は解説付きなので楽しめると思います。

『小泉文夫の民族音楽』第1章〜第15章
小泉文夫

(text:meganet)

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