『京都の近代化遺産』 川上貢監修

ジャンル別に京都の近代化遺産を紹介。

文化庁によると近代化遺産とは、「幕末期から第二次世界大戦期までの間に、近代的手法によって建設され、わが国の近代化に貢献した産業、交通、土木に関係する遺産」とされている。

近代化遺産は全国各地に存在しているが、戦災を逃れた京都では数も種類も多く見られる。京都といえば、寺社や町屋などの文化財、その中でもとりわけ古いものに注目されがちだが、実は日本の近代化に大きく貢献した街でもある。

東京へ遷都された後、京都は衰退を逃れるため、琵琶湖疎水(当時の先端技術を駆使した一大プロジェクト)、日本初の鉄道開通・小学校開校など、政治的機能を失った反面、産業や文化面での発展に力を入れた。そして、京都の近代化に貢献した素晴らしき建造物は、いまもなお街の景観に溶け込んで京都の演出に一役買っているので、日頃なにげなく目にしている建造物が、実は近代化遺産だったりする。

京都市役所、京都市美術館、平安神宮(平安建都1100年記念に建てられた)をはじめ、馴染み深いところでいうと、マンガミュージアム、叡山電鉄の一部(出町柳駅、八瀬駅等)などもそうだ。このほかにも数々の近代化遺産は身近なところにあるので、買い物ついでに見に行ってみてはどうだろう?寺社巡りからは感じることのできない、京都の違った一面、力強さや逞しさみたいなものが感じ取れるかもしれない。

『京都の近代化遺産』 
川上貢監修
淡交社 2007.12 9784473034397
情報館所蔵:3F一般書 523.162||Ky 6

(text:Hh)

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