「映画と音楽について」

前回の「from KYOTO」に、ラフマニノフ自身が題材となった映画の話が出ていたが、それに関連してラフマニノフの曲を使った映画についての紹介をしたい。

わたしは「タイムスリップ」や「タイムトラベル」ものの本を好んで読む。
ジャック・フィニイ『ふりだしに戻る』『時の旅人』、ハインライン『夏への扉』、ケン・グリムウッド『リプレイ』、国内の作家では北村 薫『スキップ』、広瀬 正『マイナス・ゼロ』など。
わたしに限らず、タイムトラベル(スリップ)ものの好きな方はけっこう多いのではないだろうか?
多かれ少なかれ、だれにでも過去に忘れ物があるはず。
もし可能であれば、もう一度その忘れ物にきちっとした「答え」を出したい、という願望は少なくないのだろう、とわたしは思う。

それはさておき、今回紹介する映画『ある日どこかで』は、リチャード・マシスンの同名の小説を1980年に映画化したもので、タイムスリップものである。
ストーリーは語らないが、ラフマニノフの作曲した「パガニーニの主題による狂詩曲(ラプソディー)作品43 第18変奏」という曲を、このシーンならでは、という使い方をしている、とだけ言っておこう。

わたしは当初この映画のために作った曲だとばかり錯覚したくらいで、曲と映画とが見事にマッチしている。

残念ながら、封切りされた時点ではさほどのヒット作にはならなかったらしいが、わたしは感動してしまって続けて何度も観た。
何度観ても、結末は変わるはずがないのだが・・・。

わたしの中では間違いなく名作のひとつである。

『ある日どこかで』
1980年/アメリカ/103分
配給:ユニヴァーサル=CIC配給
監督:ジャノー・シュワーク
出演:クリストファー・リーヴ/ジェーン・シーモア/
クリストファー・プラマー

(text:bach憧憬)

    fromKYOTO

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