『千年の祈り』 イーユン・リー著

数々の賞を受賞したイーユン・リー 待望のデビュー短編集。

苦悩に満ちた人生、もしくは人生における苦悩に満ちた期間を切り取った10篇。明るい話はひとつもないが、かといって読後にイヤな喪失感が襲ってくるわけでもない。そこがこの作家のうまさだ。そして、ところどころに散りばめられた思いもよらぬ表現に「こんな表現のしかたもあったのか」と、唸らされる。

冒頭に配置された『あまりもの』のまさかと思わせる展開とテンポの良さに驚かされ、それが最後の一篇まで中だるみすることなく継続されていく。
久々に出会った次作品も読みたいと思わせる作家。

『千年の祈り』
イーユン・リー著 
新潮社 2007.7 9784105900601
情報館所蔵:3F一般書 933||L 61

(text:Hh)

    fromKYOTO

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