『ダメージ -そこからはじまるもの-』 乃南アサ

作家さん…ですよね?

乃南アサさんといえば、サスペンス作家。なのにヘタなカウンセラーより頼りになりそうな内容に元気づけられます。女性ならありがちな悩みに対して、答える側の目線で書かれているこの作品。この説得力は何なのでしょう。まず押し付けがましさがない。そして暖かさの中に、きちんと鋭い指摘がある。何より、根底に流れる「いい面も悪い面もひっくるめてあなたなんだから。」というおおらかな受容性。がんばる必要もなく、かといって甘えたままではいられない。背中をぽんっと押してくれるバランスがとてもいいのです。

この本を買ったのはいつだったか。1度読んだあと本棚にしばらく眠っていたのを先日ふとしたきっかけで手にしました。驚いたことに(?)内容はほとんど覚えていなくって、でも今の自分にとって一番必要な本でした。本にも出会うべき時というのがあるのかも知れません。

(Text:Booktree)

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