『落語とうなぎ』
先日仕事の帰りに、京都の老舗うなぎ屋さんであった寄席に行ってきた。
店に入って階段を上がり、扉を開けると超満員のお客さん。この寄席はうな丼付きなので、まずはそちらを隣の部屋でいただくことに。
おいしいうなぎに舌鼓を打っている間にどんどんお客さんが増え、食べ終わった頃には既に席はなくなっていた。座布団を持ってうろうろと挙動不審な私たちにおっちゃんが声を掛けてくれた。
「あそこ入っていったらええねん。すんませーん、すんませーん言うて。満員電車って知ってるやろ?」
おっちゃんはこの寄席の常連さんだった。部屋の隅にやっと腰を落ち着けて、おっちゃんやおばちゃんと話をしていると、いよいよ出ばやしが始まった。
初めての生落語はおもしろかったなあ。咄家の息づかい、小気味よいテンポにぐいぐい引き込まれてポーンと飛び出す洒落に会場がどっと沸く。あっという間に終わってしまった。
テレビやCDで落語を堪能するのもいいけれど、この街に住んでいるならぜひ、生で落語とそれを囲む空気を感じてみてほしい。
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参考文献:
「美しい落語のことば」 長井好弘著
アスペクト, 2006.12 4757213301
情報館所蔵:3F閲覧室 一般図書 779.13||N 14
落語の言い回しの中から筆者が抜粋した単語や単文が簡単な解説付きで紹介されています。軽い読み物で、パラパラとめくるだけでも落語の持つリズム感を楽しんでいただけるはず。かなりおすすめです!
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(text:meganet)