『Cherry Blossoms』 大森克己写真集

夢の道端で、花に惑う

自他共に認める桜狂い、です。
毎年春になると落ち着かなく、桜のことしか考えられなくなる。夢は日本縦断桜の旅。
年毎の花を直接訪ねるのが基本で特に写真集など集めてはいなかったのですが、この本はちょっと特別。

表紙の写真はとても幻想的。空の色も木々の緑も月光のような青い光に浸され、夢のなかの花のよう。
その青さは光が溢れているようにも、夜明けや夕暮れの薄闇のようにも見える。
私には光、光。春の温んだ空気、日差しのまぶしさに消え入りそうに溶ける桜。
地面に降り積む散り桜、水面を覆う無数の花びら。
光を透かして花を眺め、花を透かして空を見上げる。

それからどこかの山の中、木々の間に間に、里の民家に、お宮の鳥居にひっそりと花が。
かと思えば団地の窓にかかる枝、河川敷の並木など、やけにくっきりとした日常の桜。

春の切なさがこぼれそうな写真集。

『Cherry Blossoms』 大森克己写真集 リトルモア 2007

(text:sakura)

    fromKYOTO

    卒業生・学外の方へ:利用のご案内

    マイライブラリ:マイライブラリについて

    交通アクセス:京都精華大学サイトへ

    公式Twitter