最強の電子辞書ブラウザ
ハードディスク格納型電子辞書をお使いの英語学習者は要注目。
僕は携帯用電子辞書も持っている。確かに便利ではあるが小さなモニターに表示される文字数がすくないので例文をざっと一覧できず、結局、冊子体の辞書を使うことも多い。しかしながら冊子体辞書にしても種類を揃えると相当に書架スペースをくってしまうという難点がある。
そこで2年ほど前から第3の辞書としてPCのハードディスクにデータを格納できるCD-ROM版辞書を使うようになった。きっかけは小学館の『ランダムハウス英和大辞典』(CD-ROM版名称は『ランダムハウス英語辞典』)という超ブ厚くて重たい辞書の購入を逡巡したときだった。英訳や和訳を急ぐ際に時間をかけずにさっと単語や用例を引けて、検索語は英語だけでなく、日本語を使って訳語や用例から逆引きすることも可能だ。しかもPCモニタでたくさんのテキストや候補を閲覧できるため携帯用電子辞書の短所もクリアされている。一旦、HDD格納型を使いはじめるとあまりの便利さに辞書引きにはPCばかりに依存してしまうようになった。「紙の触感が・・・」なんていう冊子体辞書を使う情緒的な最後の理由もフっとんでしまった。
ところが、CD-ROM版電子辞書を買い揃えていくとあるもどかしいジレンマに陥ることになる。辞書ソフトのメーカーによってデータの規格がまちまちなのだ。会社はそれぞれ独自でフォーマットと専用ブラウザを用意していることが多く、同社製品であれば共通のブラウザで複数データベースを利用することができる。ところが欲しいソフトが複数社にわたると、辞書の用途によって異なったブラウザを立ち上げなければならない。比較的汎用性が高いのがEPWINGという規格であるが万能ではない。英英辞書ならBASという形式となる。
そこで複数の規格が異なる電子辞書をお使いの方におすすめなのが今回紹介する「jamming」(Appleストアでも紹介されているから知っている人が多いかも)。ほとんどの電子辞書は規格を問わずこのソフトを使って串刺し検索(横断/統合検索)できるすぐれもの。外国語辞書だけでなく広辞苑や類語辞典など日本語の電子辞書もあわせて同じプラットフォームから検索できる(ただし、『E-DIC』や『英辞郎』は諸事情あって対象化しづらい)。
学生さんは無理して電子辞書を何本も買う必要はないが(そして高額なのでためらわれるが)、レファレンスツール好きの方で既にHDDインストール型辞書をいくつかお持ちならお試しあれ。有償のシェアウェアですがコストバリュー高し!
「Jamming」(作者:今井あさと氏) Win/Mac両版あり
URL: http://dicwizard.jp/jamming.html
その他の耳寄り情報:
情報館で利用契約しているデータベースのなかに「K.O.D.」(研究社オンラインディクショナリー)というタイトルがあります。大学構内のLAN環境ならどこからでもアクセスできます。ぜひ積極的に使ってみてください。