ロミオとジュリエット
音楽が紡ぎ出す悲恋の世界。
シェイクスピアの戯曲『ロメオとジュリエット』を題材に作曲された2つの作品が収められた、(マニアには)贅沢な一枚。
プロコフィエフ作曲『ロメオとジュリエット』はバレエ曲として作曲された52曲の中から9曲を抜粋。プロコフィエフ本人も演奏会用に“組曲”として発表しているように、音楽のみでも十分に悲劇の世界を描き出している。1曲目の「モンターギュー家とキャピュレット家」は某携帯会社のCMで使われているので、聞けば「あぁ、あの曲」と思うはず。重々しく、悶え苦しむような音楽に身をゆだねてどっぷり悲劇の世界に浸りたい。
(ちなみにドラマ『のだめカンタービレ』で竹中直人演じる“ミルヒー・ホルシュタイン”(本名フランツ・フォン・シュトレーゼマン)が登場する時にも流れてました。お正月スペシャルバンザイ!)
チャイコフスキー作曲『ロメオとジュリエット』は“幻想序曲”とあるように約20分の序曲。20分という時間の中に、ドラマがギュッと凝縮されている。プロコフィエフが深い苦しみと嘆きを感じさせるのに対し、チャイコフスキーは壮大で甘いメロディーが印象に残る。きっと二人は天国で結ばれたのだ、と安らかな気持ちさえ感じさせる。
(ちなみにこの曲はフィギュアスケート男子フリーで高橋大輔選手が使ってました。優勝おめでとう!)
音楽を楽しんだ後には、シェイクスピアを読んでみるもよし、舞台を見てみるもよし、バレエを見てみるもよし…色々と世界を広げたい。
(情報館所蔵)
CD:『ロメオとジュリエット』プロコフィエフ/チャイコフスキー作曲
ダニエレ・ガッティ指揮 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
1F録音 C||Z 99||CD
図書:『ロミオとジュリエット』(シェイクスピア全集10)シェイクスピア著
小田島雄志訳 白水社 3階閲覧室 932||Sh 12||10
『ロミオとジュリエット』(新潮文庫)シェイクスピア著 中野好夫訳 新潮社
3F文庫新書コーナー 932||Sh 12||新/文