コーヒーテーブル・ブックス

あえて紹介するまでもなく既にご存知かもしれませんが、左京区のみならず京都、近畿圏、そして全国区でも有名になった恵文社一乗寺店の堀部店長が上梓したエッセイ集。

「Seika Music Seminar 2007」というトークイベントではじめて堀部さんのお話を聞く機会がありましたが、まだお若いのにその博覧強記ぶりには改めて驚かされました。本だけではなく音楽・映画・写真・デザイン等の芸術全般に通じておられますが、雑学王という趣きの人ではありません。周囲の評価によらず自分の価値観に基づいてスキ/キライをはっきりと言えて、物事の本質をすばやく見抜き批評できる感受性豊かな方だと思います。本書を読むと、柔和ながらも一本芯の通った氏のひととなりが伺えるようです。その文章は散文的で、なぜかしらハルキ小説のような読後感があります。文化的なあれやこれやに興味津々の若い人たちにとってはガイドブックとしても重宝するでしょう。渚十吾さんの『ストロベリー・ディクショナリー』を彷彿とさせます。

前出の講演会ではじめて知ったのですが、マンガ学部の大西祥平先生は以前、恵文社一乗寺店の店長さんだったそうです。大西先生に続き堀部さんも教員として本学の教壇に立っていただけるようなことにでもなれば、多くの学生さんが喜んで受講するのではないかと思います。将来的にはぜひ実現してほしいですね。

(text:情是)

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