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グラフィック・ノベル界の大御所フランク・ミラーの原作をもとに映画化したマッチョなアクション大作。今後、情報館ではグラフィック・ノベルやバンド・デシネをどんどん購入していくつもりなのでお楽しみに・・・。

古代ギリシャの都市国家スパルタへ版図を広げようとするペルシア帝国の大軍勢100万人に対して、たった300人の精鋭で迎撃しようとするスパルタ王レオニダスの物語。公開当時、ペルシア人を悪しく描いたことについてイラン政府から「先祖への冒涜である」との抗議のあったいわくつきの映画である。

スピード感溢れる演出手法満載のスタイリッシュなモノクローム映像に姿勢前のめりで見入ってしまう。負け戦を承知で母国を救わんとするヒロイズムは男心をグッと掴む映画界のクリシェではあるが、ひねくれて考えなければハイテンションで堪能できる娯楽作だ。

僕は恥ずかしげもなく京都精華大学という大学をこのレオニダス軍のイメージに重ね合わせている。この際、構成員全員がスパルタ兵のように勇猛果敢かということは不問としたい(苦笑)。大学全入時代の大学間競争激化のなか、教学のあり方と入学志願者をめぐって(主従が逆転してしまっているが)マンモス大学に立ち向かう本学という構図。本当は生き残りをかけて大学が潰し合うのではなく、内田樹さんが提案されているように文部科学省が音頭をとって一斉に各大学の規模をダウンサイジングさせて共存共栄していくのがベターだと思うのだけれど。もっともリストラを断行することなく組織規模を縮小するには給与の一律削減という苦しみを共有する必要があるが、既得権益にしがみつくことなくそれを甘受できる肚のすわった教職員がどのくらいの割合いるだろうか。この大学こそは貧(瀕)しても教育に賭しケツをまくらない情熱的な兵たちが集う組織であってほしいと願う。

(text:情是)

    fromKYOTO

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