『主観』 かえる目
おっさんの体にユーミンが宿る!
こんな本気とも狂気ともつかない笑撃的なキャッチコピーをみたら誰だって気になるでしょう?歌うは滋賀県立大学の細馬宏通准教授。ユニット名を「かえる目(もく)」という。聴いた最初こそ「買って失敗したかも」と正直思ってしまったが、その歌声と不可思議な歌詞に次第とシミジミとしてくる。「おお、こりゃ永積タカシじゃないか」と言えばお世辞に過ぎるかもしれないが、とにかく変な後の曳き方をする。例えるなら、「滋賀のバナキュラーな風景が描かれた書割をバックに京都在住の朴訥な文学青年が精細な声でフォークソングを歌っている」ような感じだろうか。
ちなみに細馬先生の専門分野は多岐にわたる。大学院生時代は日髙敏隆先生に師事し動物行動学を研究されていたらしい。視覚文化にも興味を持たれて『絵はがきの時代』(青土社)という本も昨年上梓されている。本学デザイン学部の佐藤守弘先生もお知り合いのようで、このCDのレコメンドで先生のブログを出し抜こうと思っていたら、先日すでに先を越されていた。
細馬先生もぜひ本学の専任教員として来ていただきたい研究者の一人です。セイカのカラーに合った方じゃないかなと思うのですが。
(text:情是)