青空文庫[Webサイト]
ぬすつと犬めが、
くさつた波止場の月に吠えてゐる。
たましひが耳をすますと、
陰気くさい声をして、
黄いろい娘たちが合唱してゐる、
合唱してゐる。
波止場のくらい石垣で。
いつも、
なぜおれはこれなんだ、
犬よ、
青白いふしあはせの犬よ。
これは萩原朔太郎作「悲しい月夜」ですが、今回ご紹介するのはこれではありません。
名作と呼ばれるような少し昔の文学作品を読んでみたいけど、いまさら買ったりするのも…とか、借りたら返さなきゃいけないし面倒だな…とか思うことはないでしょうか。そんな方のために「青空文庫」をご紹介します。
「青空文庫」には主に著作権が消滅(一部存続中でも権利者が許諾)した文学作品が、人力(!)により電子化され収められています。そしてそこに収められた6000を超える作品(2007年現在)を自由に読むことが出来ます。さらに読むだけでなくこの項の冒頭のように転載、再配布をすることも可能です。(著作権存続中のものは注意)
秋の夜長に長編にじっくりと挑むもよし、レポートや制作に疲れたとき掌編や詩で気分転換するもよし、手軽に文学の世界へ触れてみるのはいかがでしょう。
ちなみに同じような趣旨のものがアメリカにもあります。
プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg) http://www.gutenberg.org/
でも、たまには紙の本を手に取りに情報館へも来てくださいね。
(text:草熱)