佐藤可士和の超整理術
いまをときめくデザイン界の貴公子「佐藤可士和」と、純朴なサラリーマンが衝動買いしそうな書籍のキーワード「整理術」。この本を店頭で見かけたときには購入すべきか逡巡した。いかにも自分がミーハーで軽佻浮薄な客に思えたからだ。でもカシワさんが「超」までつけた大仰な整理マニュアルを書くなんて・・・めっちゃ気になる・・・。
結局、経済観念ゼロの頭の悪い僕は衝動買いしてしまった。
けれども実用書の域を超えて、思想的なプラスαの恩恵に授かることになった。この本の評判はあまり芳しくないようだが、他人の悪口ばかりいう輩は無視しておけばいい。
「空間」「情報」「思考」のレベルに分けて、佐藤氏が試行錯誤のうえ実践してきた整理術を理路整然(文章も見事に整理されている)と紹介している。ビジネス書としても読ませるが、余りに有名なユニクロやキリン極生などのアートディレクションの成功事例も数多く併記されているので、氏を知らない人には「佐藤可士和クロニクル」として最適の入門書にもなる。
彼の思想は自身が手がけたDocomo携帯「N702iD」のコンセプト同様に<潔い>。
『佐藤可士和の超整理術』
佐藤可士和著 日本経済新聞出版社 2007.9
情報館所蔵:3F一般図書 002.7||Sa 85
(text:情是)