夏といえば

え、もう立秋、ほんと?たしかに暦の上では秋ですが、夏真っ盛りです。とくに京都の夏は暑い。
こんな時は熱中症に気をつけ、3密をしっかりとさけながら、風通しのよい涼やかな木陰で、また適度な冷房と換気のとれた室内で文庫本のページを繰るのはいかがでしょうか。

今回、京都精華大学の3人の教職員の方々(=人生の先輩方)からお薦めの本を選んでいただきました。テーマは「夏」、「初恋」、「京都」。それぞれに推しのコメントも添えていただきました。


石田 涼 さん (イシダ リョウ 学校法人京都精華大学理事長)
  原民喜『夏の花』 作者の体験に基づいて原爆の悲惨さを描いた作品として広く知られています。詩人でもある作者の文章がとても端正です。(岩波文庫他)情報館所蔵あり(請求記号:913.6||H 31||岩/文)
初恋 島崎藤村『若菜集』 まさに「初恋」という題の詩が収められています。文語定型詩(七五調)が、何か懐かしい気持ちを呼び起こします。情報館所蔵あり(請求記号:918.6||Me 25||69)
京都 水上勉『五番町夕霧楼』 金閣寺炎上を描いた作品は三島由紀夫『金閣寺』が有名ですが、同じ題材でも水上作品は人間ドラマを掘り下げ異なる感興があります。(新潮文庫他)情報館所蔵あり(請求記号:913.6||Mi 36||新/文)


斎藤 光 さん (サイトウ ヒカル ポピュラーカルチャー学部専任教授)
  寺崎英成他『昭和天皇独白録』 天皇が自分で語ったといわれるものの記録。敗戦後に、自ら戦前を振り返って側近に話したとされる。(文春文庫)情報館未所蔵(まもなく入荷)。 ・・・笠原十九司『増補 南京事件論争史』(平凡社ライブラリー)、阿川弘之『井上成美』(新潮文庫)もお薦め。
初恋  村上龍『69 Sixty Nine』(集英社文庫他)情報館所蔵あり(請求記号:913.6||Mu 43||文)。 ・・・庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』(新潮文庫)、庄司薫『さよなら怪傑黒頭巾』(中公文庫)もお薦め。


京都 綿矢りさ『手のひらの京』 京都生まれ育ちの家族(3人姉妹)の物語。京都の京都的でない日常を、しかし、京都という環境の中で語る物語。(新潮文庫)情報館所蔵あり(請求記号:913.6||W 47)。 ・・・森見登美彦『四畳半神話大系』(角川文庫)もお薦め。


中野 裕介さん (ナカノ ユウスケ 芸術学部特任准教授)
  水木しげる『河童の三平』河童そっくりの少年・三平と河童、愛嬌のある死神や狸、小人たちが織りなす、トボケ味と切なさに満ち満ちた名作マンガ。衝撃(笑劇?)の水泳シーンは、真夏の躍動感にあふれます。(ちくま文庫)情報館所蔵あり(請求記号:726.1||Mi 95||1)

初恋 伊藤比呂美『しんとく丸』天王寺の舞台を舞う少年・しんとく丸は、客席の乙姫に心奪われた後、激烈な運命をたどる…。社会の底辺から世界を語りだす口承文芸・説教節を、新しく軽やかに「読める」一冊です。(『新訳説教節』(平凡社刊)に所収)情報館所蔵なし(まもなく入荷)
京都 稲垣足穂『ちょいちょい日記』 「昔よく岡崎公園に遊びに行ったろう」「よう知っとるな」京都にいた少年・京吉への、語り手の危うくもある夢想や高揚を綴った、うっすら光る結晶みたいな短編です。(『天体嗜好症』(河出文庫)に所収)情報館所蔵なし(まもなく入荷)


前期(第2Q)授業が終了し、8/23(月)まではオープンキャンパス、大学一斉休業、閉館作業(蔵書点検)のために、残念ながら情報館は長期休館いたします。
8月24日(火)から開館(平日10:00~17:00、土日祝休)いたしますので、涼みがてらのご来館をお待ちしています。

 

 

 

 


    fromKYOTO

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