映画「ANPO」上映&シンポジウム

映画「ANPO」とは―

今から半世紀前の六十年安保当時、熱かった日本をアーティストがどのように表現したのか。一九六〇年六月に日米安全保障条約が岸信介政権下で自動更新されるまでの一月間、国会周辺は安保に反対する市民のデモで溢れかえりました。一九四五年の敗戦からまだ十五年しかたっていないその時代、学生、労働者、主婦など様々な立場の人が参加したこの運動を一つにした最大の原因は「二度と戦争をしたくない」という市民の強い意志だったことをアーティストたちは語っています。現在も日本は、沖縄の普天間基地の問題など、安保に象徴される日米の関係は、根本的にはなにも問い直しをぜずに棚上げしてきました。『A N PO』は、日本で生まれ育ったアメリカ人のリンダ・ホーグランド監督が、六十年安保を知るアーティストたちの証言と作品を通して、日本とアメリカの関係の問い直しを日本人に迫るドキュメンタリーです。

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当シンポジウムでは、映画「ANPO」の上映とともに、本作を監督したリンダ・ホーグランド氏、

出演者である石内都氏に加え、美術作家・やなぎみわ氏をお迎えし、

映画「ANPO」の読解と、そこに込められたメッセージの検証をおこないます。

表現者として、アーティストとして、芸術とは? アートの社会的有用性とは?

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「社会を方向づけられないアートは、それゆえ社会の核心にある問題を洞察することも
できず、結局資本の問題にインパクトを与えられない。そのようなものはアートではない」

ヨーゼフ・ボイス(Joseph Beuys)1985年。

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 開催概要

日時:2010年12月17日(金)
上映:17:00- シンポジウム:18:30- (上映後)
会場:京都精華大学明窓館201
料金:学生無料/ 一般1,200円 申込:不要

※定員に達した場合は入場をお断りする場合がございます。予めご了承下さい。

 

シンポジウム:アートの社会的有用性 ~アーティストにとって「芸術が何か」~

パネリスト:

リンダ・ホーグランド( 映画「A N P O 」監督)

石内都( 写真家)

やなぎみわ( 美術作家)

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リンダ・ホーグランド( 映画「A N P O 」監督)
日本で生まれ、山口と愛媛で宣教師の娘として育った。日本の公立の小中学校に通い、アメリカのエール大学を卒業。2007年に日本で公開された映画、「TOKKO/特攻」のプロデューサーも勤めた。その映画では旧特攻隊員の真相を追求。黒澤明、宮崎駿、深作欣ニ、大島渚、阪本順治、是枝弘和、黒沢清、西川美和等の監督の映画200本以上の英語字幕を制作。

石内都( 写真家)
群馬県生まれ、横須賀育ち。
同い歳生まれの女性の手と足をクローズアップした「1・9・4・7」以後身体に
のこる傷跡シリーズを撮り続ける。'05年「Mother's 2000-2005 未来の刻印」でヴェネチア・ビエンナーレ日本代表。'09年写真集「ひろしま」(集英社)、写真展「ひろしま Strings of time」(広島市現代美術館)により第50回毎日芸術賞受賞。2010年、ニューヨーク、沖縄、東京、大阪で個展。

やなぎみわ( 美術作家)
神戸生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。
若い女性が自らの半世紀後の姿を演じる写真作品、「マイグランドマザーズ」シリーズ、
実際の年配の女性が祖母の想い出を語る映像作品「グランドドーターズ」などを制作。
2009年「My Grandmothers」東京都写真美術館(東京)、「Windswept Women-The old Girls' Troupe」第53回ヴェネチア・ビエンナーレ日本パビリオン(イタリア)、婆々娘々!(ポーポーニャンニャン)」国立国際美術館(大阪)。

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企画:京都精華大学情報館  協力:株式会社アップリンク

問い合わせ:京都精華大学情報館メディアセンター
電話:(075) 702-5140     E-mail: ksmedia*kyoto-seika.ac.jp (*を@に変えてください)

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映画「ANPO」
A FILM BY LINDA HOAGLAND

僕は戦争が嫌だ、

あんな馬鹿なことを絶対にしたくない

 

 あの熱かった時代の日本をアーティストたちはどう表現したのか

世界的に日本の近代アートは映画を含めて高く評価されていますが、露骨に戦争の記憶や米軍基地問題と向き合った作品は殆ど知られていません。私は、世界にこの素晴らしい「文化遺産」を紹介したいと思ったと同時に、日本の若い人にも知って欲しいと思いました。日本にも「抵抗」の歴史があり、その「抵抗」を世界級のアートとして表現したアーティスト達がいたことを。

リンダ・ホーグランド監督

安保(日米安全保障条約)とは
1951
年に日米間で交わされた条約。日本および極東の平和と安全を守る名目で、日本国内の米軍駐留を認めている。
1960
年、改正に反対した人々が起こした安保闘争では警官との衝突で死傷者が出た。
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監督・プロデューサー:リンダ・ホーグランド/撮影:山崎裕/編集:スコット・バージェス/音楽:武石聡、永井晶子
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出演:会田誠/朝倉摂/池田龍雄/石内都/石川真生/嬉野京子風間サチコ/桂川寛/加藤登紀子/串田和美/東松照明/富沢幸男/中村宏/比嘉豊光/細江英公/山城知佳子/横尾忠則

作品:阿部合成/石井茂雄/井上長三郎/市村司/長濱治/長野重一/浜田知明/濱谷浩 /林忠彦/丸木位里/森熊猛/山下菊二 

 

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