ムンクの叫び
来週の27日(土)から、東京でムンク展が始まります。
ノルウェー・オスロにあるムンク美術館が誇る世界最大のコレクションを中心に、約60点の油彩画に版画などを加えた約100点により構成される大回顧展です。
あの名画、『叫び』も来日します!
ムンク展 ― 共鳴する魂の叫び
@東京都美術館
2018年10月27日(土)~ 2019年1月20日(日)
https://www.tobikan.jp/exhibition/2018_munch.html
ムンクは幸福な人生を歩んだ画家とは言えません。
幼少期に母親を、思春期に姉を結核で亡くしたことや、
狂信的なキリスト教徒の父親による異常なまでのしつけ。
大人になってからも、精神の病で妹が入院、結婚して間もない弟の死もあり・・・
「家族」に取り巻いた不幸が自身の悲観主義の要因になりました。
ムンクが生涯抱えていた "不安" は、作品の多くに反映されています。
特に強い印象を受けるのが『叫び』です。
この絵画についての豆知識、ちょいとご紹介します。
1.『叫び』の人物は、叫んでいない。
中心に描かれている人物が大きく口を開けているので、さも叫んでいるように見えますが、この人は「自然を貫く果てしない叫び」に怖れおののいて耳を塞いでいるのだそうです。
ムンクが感じた幻覚に基づいて描かれた絵なので、この人物はムンク自身… なのでしょうか。
2.『叫び』は、5枚ある。
油彩画(オスロ国立美術館 所蔵)
テンペラ、リトグラフ、パステル画(ムンク美術館 所蔵)
もうひとつのパステル画(ノルウェー人の実業家・ペッター・オルセン氏 個人所蔵)
以上 同じ構図で描かれた『叫び』は、5枚存在します。
3.『叫び』は、2回盗まれている。
1度目は1994年2月12日、リレハンメル冬季五輪の開幕式の日。
オスロ国立美術館の窓ガラスを割って(!)、男2人が油彩画の『叫び』を盗み出しました。(「貧弱な警備をありがとう」というメモ付き。)
その後、身代金の要求がありましたが、無事犯人は逮捕されて『叫び』は無傷で返還。
2度目は2004年8月22日。ムンク美術館がオープンしている日中に(!!)目出し帽を被った犯人2人が堂々と、テンペラの『叫び』と油彩画の『マドンナ』を盗み出しました。
半年以上かかって犯人は逮捕されましたが、2点の絵画は行方不明。
2年後の2006年にオスロ市内で損傷された状態で発見され、2008年に修復が完了しました。
ただし、テンペラに付いた液体による損傷には完全な修復を施すことが出来ず、現在でもその痕(左下に大きなシミ)が残っています。
まあまあ最近の出来事ですし、オスロの美術館はどんだけ警備が甘いんだと心配になりますが、
ムンク展では、盗まれて戻ってきた『叫び』を観られる良い(?)機会です。
と言いますか、『叫び』自体、日本で観られる機会はそうそうありません!
最初で最後かも?
お近くに行かれる方はぜひ、お見逃しなく。
(TEXT:NY)