『あかいふうせん』 イエラ・マリ作
グラフィック・アートの面からすぐれた絵本を発表しているイタリアの作家、イエラ・マリ。
真っ白な背景。黒で細く描かれた絵。
そこに赤い風船。
その絶妙な構成が、赤をすごく目立たせます。
赤い風船は、ページをめくるたびに、どんどん形を変えていきます。
読み手に何を印象付けたいのか―――。
シンプルだけど、そのシンプルさの奥にイエラ・マリの作意が感じられます。
そして、実はこの絵本、文字のない絵本なのです。
一切文字を使わず、ただ、絵だけで表現しています。
だから、読む人によって、捉え方もさまざま。
想像力をかきたたせる作品でもあります。
日本にはたくさんの言葉がありますが、この作品を読んでいたら、表現方法は言葉だけじゃないんだなぁって気付かされます。
イエラ・マリの他の作品も、文字のない絵本が多いです。
「あかいふうせん」はもちろん、他の絵本も情報館にあります。
興味を持たれた方は、情報館3階の絵本コーナーへ。
≪情報館にあるイエラ・マリの作品≫
『あかいふうせん』イエラ・マリ作.ほるぷ出版, 1976
3F絵本 726.5||Ma 51
『木のうた』イエラ・マリ作. ほるぷ出版, 1979
3F絵本 726.5||Ma 51,B1F書庫 726.5||Ma 51
『りんごとちょう』イエラ・マリ,エンゾ・マリさく. ほるぷ出版, 1976
3F絵本 726.5||Ma 51
(text:SHS)