『夜露死苦現代詩』 都築響一著
先日飲み屋で音楽の話をしていた時、「誰の詩が一番好き?」と聞かれて、私は少し考えたのちに、「あのー、詩とか音楽とかじゃないんやけど、メールにすごくセンスを感じる友達がいてます。彼の改行具合がたまらないんすよー。改行具合がね。詩を感じますね」と、答えた。
若者の活字離れが叫ばれているこのごろですが、実はそうでもないという専門家もいます。彼らはメールを打ちまくっているわけですし、ケータイ小説なるものも流行って映画化されたりしてるわけですから。
つまり、「本」だけが活字ではないし、いわゆる「詩集」を開かずとも、私たちの周りには詩(うた)と呼んでもいい言葉がたくさん転がっている。
都築さんは、そういうみんなの知らない(気づいてない)ものやことや言葉の可能性、「実は変やろそれ」「実はだいぶおもろいやろそれ」っていうのを発見するのがとても上手だと思う。
お高くとまった雲の上の言葉ではなく、その気になれば手を伸ばせるような隣の世界の言葉に、楽しい驚きがたくさん詰まっています。
本を読むのが苦手な私の友達が『おもしろい!』と、喰いついて読んでいたので、「活字」が苦手な人にもおすすめ(?)です。
『夜露死苦現代詩』
都築響一著
新潮社, 2006.8 4103014318
3F閲覧室 一般図書 911.5||Ts 99
(text:meganet)