『The Masked Marauder』 Edgar Jones & Friends
ハズしまくっててカッコイイ。
常に新しく面白い音を求めてCDを試聴する。あまり同じアーティストの作品は買わない。イントロ15秒だけ聴いて購入の是非を判断する。アルバムからアルバムへ、トラックからトラックへ、軽やかに飛び回る。リスナーとしてはあまりに酷い無責任さなど気に留めることなく。
あっ、あった、見つけた、珍妙で聴かせる音が。エドガー・ジョーンズ。おそらく偏屈で愛すべき英国人。なかなか良さそうだ。
かすかにトム・ウェイツを想起させるヴォーカルが、変態的でありながらしっかりしたメロディーラインにつかず離れず絡み合う。ジャケットのブラーブには、スライ&ファミリー・ストーンへのオマージュ、マニー・マーク、トミー・ゲレロとの親近性、なんて書かれてもいるがちょっと違うんじゃないか。うまくジャンルを分類できない、類比しづらい面白さがこのアルバムにはある。
新たなタレントとの遭遇。
うん、これがオッサンになっても音楽を聴き続ける醍醐味。
(text:情是)