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アートの社会的有用性 シンポジウム

 

  「社会を方向づけられないアートは、それゆえ社会の核心にある

問題を洞察することもできず、結局資本の問題にインパクトを与えられない。

そのようなものはアートではない」

ヨーゼフ・ボイス(Joseph Beuys)、1985年。





「みんなと一緒に見ることができる夢というのは結局、

“リアリティ”ということなのです。」

古橋 悌二(Furuhashi Teiji) 



 

本シンポジウムはアートと社会との関係、とりわけ「アートが社会にもたらすインパ

クト」と、それによる「社会の変化」をテーマとしています。もとより芸術表現は

社会と無縁ではあり得ません。アーティストが表現を試みる時、その営為がいかに

個人的なものであれ、作品はすでに一つの例外もなく社会と関わっていると言えます。

しかしそのようなアーティストと社会の関係は、とりわけ日本国内において、これまで

あまり議論されてきませんでした。そのような状況をふまえ、本シンポジウムでは、

社会への積極的な介入を試みてきた/あるいは現在試みているアーティストの試みを

紹介しつつ、アートと社会との関係、アートが新しい社会を構想する可能性を見定めて

ゆきたいと考えます。 
 

開催概要 


日 時:2012年1月22日(日)12:30~

会 場:京都国際マンガミュージアム1階多目的映像ホール

主 催:京都精華大学情報館
             京都国際マンガミュージアム
             京都精華大学国際マンガ研究センター(IMRC)

企画協力:山田創平(京都精華大学)

参加料:無料(ただし、マンガミュージアム入場料

大人800円 / 中・高生300円 / 小学生100円  は必要)

申込み:不要

定員:250名(先着)

問い合わせ:京都精華大学情報館メディアセンター(075‐702-5140)

 

プログラム


オープニング

12:30~開場


12:45~オープニングリマーク
 
:八巻真哉(京都精華大学情報館メディアセンター)

 

第一部 13:00~(120分)
「ヨーゼフ・ボイスの社会彫刻から創造的資本論へ」

アートの社会的有用性という21世紀的課題に実践的に立ち向かうために、ヨーゼフ・ボイスの社会彫刻概念を美学、熱学彫刻、医療の三方向から融解させ、凝固し硬冷化した近代的芸術概念そのものを乗り越えるとともに、創造的資本論としての再構築を試みます。

 

パネリスト
:小田部 胤久(東京大学文学部教授)

:穂積  恒  (医療法人惇慧会理事長)
:若江 漢字 (現代美術家)
コーディネーター
:山本 和弘 (美術評論家/栃木県立美術館シニア・キュレーター)
 

 

 第二部 15:30~(120分)
「東日本大震災の後、アートはいかに可能か?」

東日本大震災は、東北地方を中心に大きな被害を与え、私たちの世界に対する認識を一変させました。余震は相変わらず続いており、福島原発事故はいまだに終わりが見えない状況です。このような状況で、アートの社会的な意味や、アーティストの役割が強く問い直されています。
本企画は、こうした状況の中でいち早く独自の取り組みを見せてきたアーティスト、ミュージシャンをお招きして、今アートに何ができるのか、アーティストはどのような存在なのかを議論しようという試みです。

 

パネリスト
:大友良英(音楽家)
:小田マサノリ(イルコモンズ)
:村上タカシ(美術家/一般社団法人MMIX Lab代表)
コーディネーター
:毛利 嘉孝(東京藝術大学准教授/社会学者)
 

プロフィール 


小田部胤久/東京大学文学部教授
1958年東京生まれ。18世紀中葉の啓蒙主義から19世紀初頭のロマン主義にかけての主にドイツ語圏の美学理論を研究対象とする。なぜ学問としての「美学」が18世紀中葉に成立したのか、という問いを、近代的「芸術」概念の誕生とのかかわりにおいて探求するとともに、最近は、美学をその語源に即して「感性論」として捉えることの可能性にも関心を寄せ、美学史の書き換えを図っている。主な著書に『象徴の美学』、『芸術の逆説――近代美学の成立』、『芸術の条件――近代美学の境界』、『西洋美学史』『木村素衞――「表現愛」の美学』など。

 

穂積恒/医療法人惇慧会理事長
1953年生まれの59歳。医学博士。医療法人惇慧会理事長。アートコレクターであった父の影響を受けアートに深い関心を寄せるようになる。特に1994年の信濃美術館での草間彌生展で作品に溢れるエネルギーと表現力の巧みさに感動し、以後一貫して草間作品の収集を続ける。また1993年ミラノで偶然観たボイス展で知的で理性的な作品に触れ、アートの持つ社会性に感銘し、ボイス作品の収集にも力を入れるようになった。最近は美術作品の収集のみにとどまらず、アートを用いた医療・福祉施設の療養環境の改善や地域の文化向上にも情熱を燃やし、所有する施設で各種のアートプロジェクトを積極的に展開している。アートを単に鑑賞する対象として捉えるのみではなく、人と人とのコミュニケーションの促進や地域活性化のツールとしての活用を追及している。

 

若江漢字/現代美術家
1994年、横須賀市に生まれる。横須賀高校・夜間部と東京の日本デザインスクールに同時に通学。1960年代後半より写真・版画作品を現代展その他に出品。70年代初めより写真作品が評価され1973年にサンパウロ・ビエンナーレ日本代表に選ばれる。1975年、ドイツのギャラリーmの個展を機に一年間ドイツ・オランダに滞在する。この間ドイツを中心とした美術館でヨゼフ・ボイスの作品に触れる。1982年から一年間文化庁在外研修員としてドイツ・ブッパタール総合性大学に学ぶ。その折偶然が重なりヨゼフ・ボイスの知遇を得、数回アトリエを訪ねインタビューや、ボイスから直接足型を取る。ボイスに間近に接し非常に感銘を受ける。帰国後、アトリエ誌に「ボイス・ノート」を一年間連載する。ボイスに出会い芸術家の社会的責務を自覚し、1994年自宅敷地内にカスヤの森現代美術館を開設、現在までに常設展と平行し200以上の企画展を開催する。1994年神奈川県立近代美術館・国際芸術センター青森、2008年ケルン・クンストフォルム、2011年横須賀美術館で個展開催。

 

山本和弘/美術評論家/栃木県立美術館シニア・キュレーター
1958年山形県生まれ、東北大学卒。1985年より栃木県立美術館学芸員。主な展覧会企画:「現代美術になった写真」(1987)、「冬のメルヘン」(1993)など。主要論文:「厚生芸術の萌芽的研究」(2011), 「ヨーゼフ・ボイス研究―《黒板》(東京藝術大学)」(東北芸工大紀要、2008)、「ヨーゼフ・ボイスと宮沢賢治―〈芸術の東北〉研究序説」同大紀要(2007)など。主な著書:『ヨーゼフ・ボイスよみがえる革命』(共著:フィルムアート社、2009)、 『現代美術辞典』(共著:美術出版社、1993)など。主な訳書:ハイナー・シュタッヘルハウス『評伝ヨーゼフ・ボイス』(美術出版社、 1994)、『なぜアーティストは貧乏なのか』(グラムブックス、2007)、など。

 

大友良英/音楽家
1959年横浜生まれ。十代を福島市で過ごす。常に同時進行かつインディペンデントに多種多様な作品をつくり続け、その活動範囲は世界中におよぶ。映画音楽家としても数多くの映像作品の音楽を手がけ、その数は60作品を超える。近年は「アンサンブルズ」の名のもと様々な人たちとのコラボレーションを軸に展示する音楽作品や特殊形態のコンサートを手がける。震災後は福島と東京を行き来しプロジェクトFUKUSHIMA ! を立ち上げ奔走中。
著書に『MUSICS』(岩波書店)、『大友良英のJAMJAM日記』(河出書房)、『ENSEMBLES』(月曜社)『クロニクルFUKUSHIMA』(青土社)等がある。

 

小田マサノリ/イルコモンズ
1966年福岡生まれ、元・現代美術家、文化人類学者、メディア・アクティヴィスト、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所特任研究員、多摩美術大学芸術学部非常勤講師、中央大学文学部兼任講師。近著「J25ヴィデオムーヴィーログ」(『現代思想』2011年4月臨時増刊号)、「実存的ステンシル主義者の報復とファンタジー」(『ユリイカ』2011年8月号)、最近の展示「アトミックサイト」展( 現代美術製作所、2011)。著述多数、著書なし。ブログ「イルコモンズのふた」http://illcomm.exblog.jp/「文化人類学解放講座」http://illcommonz.exblog.jp/

 

村上タカシ/美術家・一般社団法人MMIX Lab代表 http://mmix.org
1986年より畳やお米を使ったインスタレーション作品など美術家として東京で活動を開始。国内外の展覧会やアートプロジェクトに参加。これまでの作品としては、「GreenCircle」「アーツ・センター構想」「TANABATA列車」など。また東京杉並区で1994・96年のIZUMIWAKU project「学校美術館構想」展や2003年より仙台でT.ORG「観光とアート」展など数々の学校やまちを使ったアートプロジェクトを企画実施。3.11以降は「のこすプロジェクト」として3.11メモリアルプロジェクトや「しめすプロジェクト」として桜3.11などを展開中。


毛利嘉孝/東京藝術大学准教授/社会学者
1963年長崎県生まれ京都大学卒業。ロンドン大学ゴールドスミスカレッジでMA(メディア&コミュニケーションズ)とPhD(社会学)を取得。専門は社会学・文化研究。特に音楽や現代美術、メディアなど現代文化と都市空間の編成や社会運動をテーマに批評活動を行っている。主著に『ストリートの思想:転換期としての1990年代』(NHK出版)、『はじめてのDiY:何でもお金で買えると思うなよ!』(ブルース・インターアクションズ)、『文化=政治:グローバリゼーション時代の空間の叛乱』(月曜社)、『ポピュラー音楽と資本主義』(せりか書房)、共著に『カルチュラル・スタディーズ入門』、『実践カルチュラル・スタディーズ』(ともにちくま新書)編書に『日式韓流:『冬のソナタ』と日韓大衆文化の現在』(せりか書房)、翻訳にジェイムズ・クリフォード『ルーツ』、ポール・ギルロイ『ブラック・アトランティック』(ともに月曜社)など。NPO法人アート・インスチチュート北九州(AIK)理事、Inter-Asia Cultural Studies誌(Routledge)編集委員。

 

八巻真哉/京都精華大学情報館メディアセンター
京都精華大学情報館メディアセンターに所属し、展覧会や講演会、ワークショップ等の企画を行っている。2007年「古橋悌二・1 2 年目のメッセージ - How are you ? - 」と題し、ダムタイプ作品「S / N」の上映会や講演会、H I V / エイズポスター展を企画する。2009年よりキングストン大学(ロンドン)との共同研究プロジェクトを開始。このプロジェクトは「介入の芸術」の可能性を検証するために2010年までの二年間にわたり、芸術や人文学に携わるさまざまな人々が領域を横断して展開する。2009年1月「S/Nについて、語られなかったこと」、11月「Love song for the future」と題し、公開シンポジウムを開催。2010年9月には「LIFE with ART―受けとめ、そして、渡す人―」展開催(京都精華大学ギャラリーフロール)、10月には東京都写真美術館にて開催の「ラヴズ・ボディ―生と性を巡る表現」展にて論文発表。2011年度は「アートの社会的有用性」をテーマに本シンポジウムを企画実施。
 

問い合わせ

京都精華大学情報館メディアセンター  
電話:(075) 702-5140  

 

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